〈写真:2015年7月15日産まれの愛猫ちーちゃんの巣ごもり〉
推定7月15日生まれの猫が我が家にいる。未だ目も開かない赤ちゃん猫の”Help me!”を、娘が中学校の時の同級生が、超能力とも言える聴力で離れた家から聞き付けた。この季節、台風の影響で大雨の降る中、産まれてすぐに公園で母猫や兄弟姉妹とはぐれ、側溝で溺れかけていた掌に乗るサイズの仔猫を、その友人Sさんは、びしょ濡れになりながら救い出した。
その子は後に我が家の子となり、子供達と一緒に成長し、我が家の悲喜交々全てを共有し、明日20歳を迎える。感謝しかない。
猫談義といきたいところだが、今日はこの題名のとおり、コミュニケーションはリズムやトーン、音楽のごときメロディラインで成立しているということを、一緒に暮らす猫たちを通して実感している点を綴っておきたい。
動物の場合は人間の言葉の理解とは違い、言葉の意味よりも、声の高さ、リズム、抑揚といった“音の流れ”から感情を読み取っている。
名前を呼ぶときも、何か伝えたい時も、その言葉のトーンのみで、ハミングでもちゃんと内容が伝わっていることがわかる。悪戯をしていれば、こちらの低い声と嗜めるトーンが警告になる。因みに悪戯はもう1匹のお転婆さん三毛猫の話で、20歳の先輩猫さんは、自分に向けて言われていないことは百も承知。
人間同士のコミュニケーションでも、赤ん坊から幼児も動物と同じように、トーンで理解している。声色を聴き分けられるということ。「優しさ」「怒り」「不安」などは声の奏でるメロディに含まれている。
英語の発音やリズムを学ぶとき、「正しい音」ばかりに気を取られがちだが、伝わる英語はむしろ自然なメロディがカギになることも多い。”I’m alright! “であっても、そのメロディ、速度、トーンによっては怒りの表現にもなり得る。言葉を学ぶことは、音楽を感じる感性が求められる。
20歳を迎える愛猫には、優しく温かい感情を伴ったメロディだけを聴かせてやりたいと強く思う今日この頃。いまでも仔猫のようなあどけない表情で挨拶してくれる。
お祝いにと用意した新しい猫ハウスは完全に無視。お気に入りの巣でウトウトしている時は話しかけずにそっとしておこう。
Salon de 925
住所:東京都港区南青山4丁目 (根津美術館近隣)
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