〈写真:2025年7月撮影:代々木上原の大人の隠れ家にて〉
お抹茶、日本茶、紅茶、中国茶と様々なお茶、お茶文化は興味深く、1人単発のイベントに出かける機会を楽しみにしている。
今日も以前から予約していた和洋が織り混ざったお茶タイムを堪能するべく、大人の隠れ家に馳せ参じた。 友人と出向くのも良いが、ひとりで参加すると、自ずと興味の対象が似通ったおひとり参加の方と同席し、話が弾む事がある。まさにそんなお仲間に遭遇した。
最初は気づかなかったが、ふとした日本語の発音で私は遠慮なくこう尋ねる。「どちらのご出身ですか?」「台湾です」
こうなると一気に話題はグローバルに。その方の日本語の流暢さから、語学センスがかなり高いとお見受けするや否や、日本や海外での英語教育の環境云々、言葉に関する私からの質問が止まらなくなった。
そんな中で印象的だったのは、彼女が最初に困った日本語は「カタカナ発音の外来語」なのだそう。台湾では英語由来のものは日本よりも英語に近く発音するらしく、日本ではわざわざカタカナ発音に変換しないといけないから、それが大変だったし、今でも苦労する、と話されていた。
里帰りされた折に、日本語に馴染みすぎて困った一例がこれだった
restaurant
の英語発音 /ˈres.tər.ɒnt/🇬🇧 /ˈrɛs.tə.rənt/🇺🇸
これが、カタカナのレストランと上記のような英語発音との間のような発音になってしまい、何度言っても通じなかったそうな。
中国語ベースだと文法も英語に近く、発音もこもったRがあるので特にアメリカ英語発音は習得しやすい環境。我々日本人が英語を英語らしく聞こえるようにするのはアジア圏でもかなりハードルが高いはずだ。
国の内外を問わず、発音をきっかけに会話がスタートすることは多々ある。お相手が言語や発音に興味がある場合は尚更だ。
この方との色んなやり取りのおかげで、お茶の世界が本来大切にしている「お茶を囲んで会話を楽しむ」という時間を心底体現できた。何か好きな事に没頭していくと、そこを土台に会話が膨らむ愉しさを存分に味わう事ができる。
それにしても話が止まらない我々に、お店の方が次のお茶を提供するタイミングに困っておられたのは重々承知。「おばちゃん」という人種はなるほど、こうやって図々しく逞しく蔓延っているのだ、と実感した日でもあった。
Salon de 925
住所:東京都港区南青山4丁目 (根津美術館近隣)
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