〈写真:ロンドンの老舗紅茶店、Whittard〉
英国展がデパートで開催されるとどこもスコーンやケーキ、紅茶諸々を求めて凄い行列ができる人気振り。イギリスのお茶文化に詳しい方々からは笑われるかもしれないエピソードをひとつ。
かなり昔、ロンドンからスペインにBA(ブリテイッシュエアウエイ)に乗った時のこと。日本からUKの便とは違い、乗客の殆どはイギリス人だ。お茶のサービスタイムが始まりアテンダントの心地よいUK発音が前方から聞こえ始め、自分のところに来るのを子供のようにワクワクして構えていた。
"Tea or coffee?” と切り立った子音の下降調で予想通りのご質問。したり顔でTea please!で任務完了と想定済みの私に、
“White tea or black tea?”と続く。
この質問に私の脳内で何が起こったかというと
①前日茶葉専門店にwhite tea やyellow teaな
どとblack teaのセクションがあり、中国茶を含む高級な茶葉を白茶と呼ぶ
②忙しい飛行機の中で①のような選択を乗客に尋ねるだろうか?白はミルクティーで黒はミルクなしだな。
③いや、周りは朝から晩まで紅茶を飲む人たちばかり。小慣れた感じで好みの色をサクと伝えるのかも、、。。
この①〜③が2秒くらいの間に頭を駆け巡り、咄嗟にこの質問。
”What's the difference between white and black?"
この問いに男性のCAさんは気の毒そうに眉を八の字にして、
“Ah, it just means tea with milk in it.."
答えは②だった。
このあと、対応してくれた彼に、私には実は①〜③の選択肢があったこと、国際線で自分のようなアジア人がいるから①のような白茶を粋に用意してくれているかも、などなどの迷いを自虐的に披露したら、会話が聴こえた近くの人も共感するわよ〜とニンマリ、結果、束の間のTea-time talk を楽しめた。
国内外、特に海外の旅は、命に危険がない限り珍道中の方が思い出に残って面白い。サーブしてくれたあのCAさん、ミルク入りお茶とミルクなしのお茶の違いを尋ねた私のことを酒の肴にしてくれていたら光栄至極。
※「White tea」=ミルク入り紅茶 これは誤解や俗称による表現で、正式な意味ではありませんが、特に一部の英語圏(例:イギリスの庶民的な会話)で見られる口語的用法
Salon de 925
住所:東京都港区南青山4丁目 (根津美術館近隣)
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