〈写真: 2025年5月撮影:LAの家具店に展示されているビンテージのパン配達車〉
ピアノ講師を経て、英語、発音、スピーチの指導などを数十年経て、日々のレッスンや自分自身が学んでいく中で、ある事を確信しています。
それは、「得意なところからスタートすると、その後の進みがとてもスムーズになる」ということ。これを意識するようになって、受講生の方には必ずお伝えするようにしています。苦手意識の克服、そして自己肯定感が高まる事が、表情や声色、あらゆる点から明らかになりました。
実はこの感覚、脳科学の視点から見ても、しっかりとした根拠があるんです。
私たちが「うまくいった」「できた」と感じるとき、脳内ではドーパミンという物質が分泌されます。ドーパミンは「やる気ホルモン」とも呼ばれていて、やる気や集中力を高め、学習や記憶の定着にも大きな役割を果たします。
発音レッスンをしていて、受講生の方が音読したある一文やフレーズが、こちらがゾクっとするくらい素敵な時があり、私は直ぐにそれをお伝えします。千差万別、十人十色ですが、不思議と各個人必ず、「おっ」と思うようなパフォーマンスを見せてくれる事があり、 そこからスタートするとその後のパフォーマンスが不思議なくらいあがります。
これはピアノを私自身が演奏したり指導していた時も同じ現象がありました。更に、字を書いたり、絵を描いたり、あらゆる表現において、得意と感じる結果を体験した後、それが良い感じに次へ繋がる体感が個人的にも多々あります。
得意なことに取り組んで成功体験を得ると、脳が「これは楽しい」と感じてポジティブな状態になり、その後の学習にも良い影響が出るというわけです。
また、得意なことは脳の中で神経回路がすでにしっかり形成されているため、スムーズに処理できます。いきなり苦手なことから始めるよりも、脳への負担が少なく、ウォーミングアップとしてもちょうど良いんです。
その結果、後から挑戦する難しい課題にも、余裕を持って取り組めるようになります。
さらに、「自分にはできる」という感覚は、学びにおいて非常に大切な力になります。心理学では「自己効力感」とも呼ばれ、これが高まると脳の前頭前野の活動が活発になり、意欲的に取り組む姿勢が生まれます。得意なところから始めて「できた」と感じることは、この自己効力感を自然に育てる手段にもなるようです。
私たちはつい、「苦手を克服しなきゃ」と思いがちですが、実はその前に「得意なことに立ち戻る」ことで、脳を味方につけながら効率的に前に進むことができます。これは決して甘えではなく、自分の力を引き出すための賢い選択だと感じています。
練習や学習がちょっと重たく感じるときこそ、まずは得意なところから始めてみてください。自分の中の「いける!」という感覚が脳を活性化させて、きっとその後の流れも良くなっていくはずです。
◇◇
大人の学びを通して感性を磨く、都会の喧騒を離れた緑を臨む隠れ家サロン、Salon de 925でアロマやイギリス英語、発音、映画講座を開講してから1年が経とうとしています。今後は海外から講師を招いたり、和文化の学びの場としても新たな講座をご提供していく所存です。
Salon de 925
住所:東京都港区南青山4丁目 (根津美術館近隣)
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