日本に住みながら英語を日々浴びる手段が格段に増えた昨今。YouTubeやPodcastも閲覧しつつ、昭和のテレビっ子だった私はTVのスイッチオン、でケーブルTVの海外ドラマを環境音にしている。
イギリスドラマの放送が多い有料チャンネルではロンドン周辺だけが舞台ではなく、いわゆるご当地ドラマもよく流れてくる。 有名なところでは、「ヴェラ〜信念の女警部」や「シェトランド」など、アン•クリーヴス原作のミステリードラマ。美しくも荒涼としたイングランド北東部やスコットランドのシェトランド諸島が舞台として登場する。
ドラマなので全く聞き取れないレベルのアクセントは避けているかもしれないが、かなり特徴的な発音やイントネーションに浸ることができる。シリーズ物なので、何度も繰り返し視聴していればそのアクセントにも慣れてくるのだが、たまにその音声が私がイメージしている日本語の「東北弁」にスライドしてしまえる面白さがある。
私が感じた特徴を二つ挙げてみたい。
1つは、イントネーションで、語尾に向かって肯定文でも否定文でもゆっくりと上昇していき、最後に押しながらすくい上げて終わる特徴。もう1つは、スタンダードだと二重母音になる音がカタカナのように横棒の平らな音になるところ。
2つ目の特徴に関しては、例えばアルファベットのO, noやgoなど、イギリスのスタンダード発音では母音が/əʊ/となるが、こういう部分はほぼカタカナっぽく、オー、ノー、ゴー、と平らに、そして間延びしたようにかなりゆっくり発音される。 日本でも北関東、特に東北では上記の特徴が感じられる。(あくまでも私見です)
南北に限らず一部の地方では、ちゃきちゃきした早口の江戸っ子とは全く違う音の性質があるが、まさに、ロンドンのコックニーとイングランド北東部やスコットランド地方の発音やイントネーションの違いととても似ている。 上昇調や、ゆっくり話す雰囲気は、相手を受け入れる素朴さや温かさや、ゆったりした時の流れ方を感じさせる。都会では事象の変化の速さに則するように言葉も省略化が好まれる傾向があり、効率化の反映なのかもしれない。
地域による職業や人々の気質は国や人種を超えて本質的に似通っていて、そこから受ける印象に共通項があるんだと考察した。 ドラマを観ながらそんな事ばかり考えているものだから、誰が犯人だったかを見逃すことも度々。定期的に再放送してくれるおかげで何度でも楽しめる。そして色んなアクセントが身近になっていく発音オタクの日々。
Salon de 925
住所:東京都港区南青山4丁目 (根津美術館近隣)
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