耳に入る音の種類が多いと脳で何が起こるのか?
結論から言うと、言語能力が圧倒的に高まります!言語に限って説明しますが、育つ環境であらゆる音に晒されていることで聴覚刺激がそうでない環境よりも多くなり、その後の言語中枢の発達に影響が出ます。
赤ん坊は色んな音を発していることはわかりますよね?ウーとかアー、と表記できない何とも曖昧な音です。唇を尖らせたり舌をくねらせたり、これからどんな言語でもかかってこい!とばかり、頼もしく発声、発音練習をしています。
保護者の元、自分の欲求を満たしてくれるようにあらゆる音から取捨選択していくうちに、要らない音は聞かなくていいように脳が制限を始めます。背に腹はかえられない生死に関わる段階ですから本能に組み込まれているのでしょう。生きていくには母語がちゃんと理解できる聴覚で十分です。
バイリンガルは何となく理解できるとして、マルチリンガル、多言語話者の人の脳はどうなっているのでしょう? 3,4ヶ国語、5,6と増えていくと、その先は7も8も加速度を増して習得できるそうです。その理由の一つは、母語を超えた多くの母音や子音をインプットしているからです。こちらをご覧ください。
日本語 母音5個 子音14個
英語 母音14個 子音24個
ジョージア語 子音33個
ウビフ語というアフリカの絶滅言語
子音80個
多言語に囲まれている環境で育つと何が起こるかというと、あらゆる種類の音がインプットされ、音を拾う聴覚の網目が張りめぐされ、それに新たな網が重なっていき、網目がどんどん細かく密になり複雑な音をキャッチするようになるという事です。だから数カ国語を話せるまでに触れた音の種類があれば、その後リスニングがどんどん楽になって、新しい言語が習得可能なのは自明の理です。発音、リスニング、スピーキングは表裏一体ですからね。
私たち日本人が大人になって英語発音や、リスニング、英会話が出来るようになる、という第二言語習得に苦労する理由の一つは、網目がかなりスカスカなところからスタートするという、音の分野でかなり不利な条件であることは否めません。しかも日本語は周波数の低い母音優位な言語なので、子音の聞き取りに手こずります。日本語ネイティブとしての美しい母語への愛や誇りはさておき、この件はイギリス英語習得の英語リスニングの優位性に関する過去のブログをご一読下さい。
アフリカで父親の仕事に付き添って色んな部族を渡り歩いていた少年が、アフリカの言語以外も何ヶ国語もペラペラになった話を聞いた事があります。言語への感性が良いだけでなく、耳にしてきた子音や母音の数が優位に働いたのは納得のいく話ですね!
Salon de 925
住所:東京都港区南青山4丁目 (根津美術館近隣)
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